瀧 俊雄

株式会社マネーフォワード取締役 兼 マネーフォワードFintech研究所長。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券株式会社を経て、株式会社マネーフォワードの設立に参画。経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」に参加。金融庁「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」メンバー。

インフルエンザが猛威を振るっています。職場でも、ご家庭でも、相当な脅威であるこの病気。とはいえ、その不幸な存在には、いくつか覚えておいても損のない、生産性にまつわるエピソードが埋もれています。
1つ目はビッグデータの限界です。グーグル社は2008年より、グーグルインフルトレンドという、インフルエンザの流行を正確に推測する目的のサービスを提供していました。さまざまな国で展開されたこの推計は、米国の公的機関による流行の推計よりも2週間も早い予想を実現するなど、一定の成果を見ました。しかしその後、インフルエンザ以外の症例も計測対象に含めてしまい、医療機関での診断を2倍も過大に推計したり、通常の気象データを用いたほうが精度が高くなるなど、最終的には正確性に疑義が残る結果となりました。健康データを活用することへの批判などもあり、現在はサービスの提供を終了しています。

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