株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

役員は、企業の事業あるいは機能について責任を負っています。今回は、役員が自身の責任を全うする際に重要な戦略についてご説明します。

役員業における戦略

戦略とは絞り込み

戦略は成功への筋道です。事業に取り組むうえでの取捨選択基準であり、「それ以外はやらない」と絞り込むことで、社内のベクトルを合わせます。

戦略は、どちらかというと「捨てること」に意味があると考えるべきです。「これを戦略とする」といったん決めたら、それ以外のことはやらないようにします。

会社の経営において、「それ以外はやらない」のは、とても恐ろしいことのように感じられます。今、この仕事を逃したら、次はいつ来るか分かりません。ですからダボハゼのように、全ての仕事に食らいつきたいと考えてしまいがちです。しかし戦略を立て、それ以外はやらないと思い続けなければなりません。

戦略の立案には勇気が必要です。戦略に特化する際には、全社で徹底させなければなりません。絞り込みは怖く、大きなリスクも伴います。しかし、よいもの、よい場所に絞り込むことができた場合には、全てのベクトルが合致するため、会社の業績はとてもよくなります。

フォーカス(=焦点)を絞るのは、小学校のときに行った理科の実験、レンズで紙を燃やすことに似ています。紙を鉛筆で黒く塗りつぶして、そこにレンズをかざして太陽光の焦点を合わせると、紙が燃えだします。戦略にはまさにそれと同じ効果があり、よい市場に絞り込めた場合は、とても大きな効果が得られます。

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