3月11日にこのコラムを書いています。
 2011年の今日起こった東日本大震災から9年経ちました。
 2020年の今は、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、これからどのような影響が出てくるのか、戦々恐々としています。
 当社ももちろんその影響にさらされ、中止や延期をしたセミナーや企画があり、さらにこれから大きな決断をしなければならない企画もあります。こういうときにどう冷静に判断していくのか、本当に難しいと感じています。
 そして、2011年の震災のときも、いろいろな決断をしながら仕事を進めていたことを思い出します。
 当時は、余震が続くなか、4月12日から当社主催の「インド海外研修」がありました。スタッフを含め総勢35名が参加の予定で、この時期に行くべきか、中止または延期にするべきか、本当に悩みました。そこで、判断材料として、ご参加の方全員に、「行きたいかどうか」を聞いてみようと思い、実際に全員に電話でお聞きしました。
 すると、被災地と被災地周辺の方を除き、ほぼ全員から「行きましょう」とのお返事を頂いたのです。そのような皆様から背中を押され、「予定通り実施」を決めました。
 出発当日の朝も大きな余震があり、1名様のみ出発の飛行機に乗り遅れ、翌日の合流となりましたが、なんとか無事にインド研修を行うことができ、心から安堵した思いは今もはっきりと覚えています。
 また、視察先の現地の方々から「日本のみなさん頑張って」と激励され、とてもうれしかったことを覚えています。
 東日本大震災と、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、全く性質の異なるものですが、いずれにしても今後、会計事務所の皆様も、そのお客様の中小企業経営者の皆様も、重要な決断の連続で精神的な疲労がたまっていくのではないかと想定されます。
 でも、なんとか持ちこたえないと、経営者も従業員もその家族も大変なことになるのですから、乗り切っていくしかないですね。
 こういうときこそ、さまざまな情報をしっかり取捨選択して、対応していかなければと思います。
 ちなみに当社では、今年の海外研修は4月14日からスイスのチューリッヒを予定しておりました。ただ、2011年とは違い、世界規模の感染拡大であり、集団での移動にはリスクが大きすぎる点や、確定申告期限が1カ月延長され、4月16日になったことを受け、残念ではありますが、今年の11月3日出発に延期させていただきました。
 延期を決めた時点ではまだ、スイス国内の感染者はなく、日本人の受け入れも問題ないといわれていたのですが、本日現在で、スイスでの感染者は491人となり、その隣のイタリアでは1万人を超えています。
 とにかく、早い収束を果たし、何年か後に2020年の春は本当に大変だったけど、なんとかここまで無事に来られたね、と話せることを願うばかりです。

株式会社実務経営サービス
代表取締役社長 板垣 誠

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