株式会社エアロスペース CEO
川久保文佳
私はSAKEPAⓇという日本酒の蔵を応援する団体を率いている川久保文佳です。日本独特の製造方法を有する文化的な価値が高い酒蔵がどんどん減っていっているなかで、日本酒の酒蔵が後世にも伝統を伝えながら継続できるように、さまざまなプロモーションやイベントを行っています。
今回は日本酒の研究をしているメンバーと一緒に、新潟県佐渡市の酒蔵をいくつか訪問させていただきました。前回は尾畑酒造の佐渡の学校蔵についてお伝えしました。
あらためて1月1日に能登半島大地震で被災された方々へお見舞いを申し上げます。佐渡も大地震の被害を受けられたとのことで、重ねてお見舞いを申し上げます。
北雪酒造
佐渡市のふた蔵めにご紹介するのは、「北雪酒造」です。1872年創業の老舗の酒蔵で、世界的にも評価が高い蔵です。この蔵では清酒を中心に、焼酎、リキュール、甘酒などを製造しています。清酒の銘柄は「北雪」です。
日本酒を醸す米は、「五百万石」「越淡麗」「山田錦」の3種類の酒米を使っています。
普通酒から大吟醸まで新潟県産の五百万石を使用した酒造りをしています。北雪らしい辛口酒に仕上げています。
越淡麗は新潟県独自の酒米で、五百万石と山田錦を掛け合わせて開発されたお米です。佐渡島の「朱鷺(トキ)と暮らす郷づくり認証制度」の認証米を100%使用していて、辛口ながらも旨みのある日本酒に仕上げています。
「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」とは、減農薬で米作りを行い、水田とその周囲の生物のための生息環境を作り出す農法です。朱鷺などにも暮らしやすい環境となり、豊かな生態系を創造することができます。
山田錦を使った日本酒は、北雪酒造の看板商品である大吟醸YK35を造っています。酒米は兵庫と滋賀から買い付けを行っています。YK35の「Y」は原料の山田錦、「K」は協会9号酵母、「35」は精米歩合35%を示しています。