井上雅之
Paris Miki International SA 

海外生活も今年で43年になる。パリとジュネーブで育ち、現在はチューリッヒで生活している。
コロナ禍は既に遠い昔話となり、世界各国の観光名所は旅行者であふれかえっている。スイスでも昨年のホテル宿泊数が史上最高の4180万泊となり、2019年に比べて5・6%も増加した。欧米人やアジア人に加え、最近では多くのインド人旅行者を見かけるようになったのが印象的だ。彼らの目的はアルプスの壮大なパノラマや絶景を楽しみ、ジュネーブやベルン、またチューリッヒなどの旧市街を散策し、美しい街並みを堪能することだろう。しかし数日も滞在すると、思い浮かべていたよい意味でどこか田舎くさいイメージだったスイスが、思いのほか国際国家であることに気が付く人たちが多いのではないだろうか。コロナ禍真っ最中には、テドロス事務局長による会見がジュネーブから中継されているのを見て、世界保険機関(WHO)本部がスイスにあることを知った人たちも少なくないようだが、永世中立国スイスは長らく国際ステージのモデレーターとして重要な役割を果たしてきた。

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