新年が明けても、コロナ禍はなかなか収まる気配が見えない状況です。何か、中世末期のヨーロッパを襲ったペストの蔓延を思い浮かべてしまいます。ヨーロッパの人口のおよそ3分の1を失った大きな惨禍だったと聞いています。しかし、このペストパンデミックは中世の封建体制を崩壊させ、ローマカソリックの信仰を揺さぶり、新たなヨーロッパの近代思想やルネサンスを生み出す契機となったといわれています。
今回のコロナパンデミックは、致死率ではかなりの違いがありますが、文明社会に与える影響力においては、まさにペストの再来のように思えてきます。このコロナ禍は産業構造や社会構造、日常の生活に大きな変化を否応なくもたらしました。
人々は互いの接触を避けるために常にマスクを着用し、感染した人を隔離せざるを得ない状況が続いています。
各産業も、大きなダメージを受けています。飲食業、宿泊業、観光業、交通産業、多くの関連する産業があえいでいる状況です。テレワークと呼ばれる新しい働き方も定着しつつあります。従来の在宅勤務とは根本的に違う、新しい働き方のような気がします。
デリバリー、テイクアウト、そしてUber Eatsのような新しい業態の誕生。従前は配達業務ができなかった個人店でも、Uber Eatsのような業者を通して配達が可能な時代になってきました。出前という機能が独立して、新しい業態として確立されたわけです。
また、従来はグローバル資本主義の根幹を担っていたサプライチェーンも、今回のコロナ禍によって変化を求められています。DX(デジタルトランスフォーメーション)化も加速しています。その結果として、GAFAはデジタルプラットフォーマーとしての影響力を強め、世界規模で情報とモノを結びつけるビジネスモデルを展開し、莫大な利益を生み出しています。
つまり、コロナ禍を契機として、より大きなパラダイムシフトが、世界規模で進んできているのだと思います。もちろん、日本の中小企業においても、この変化の渦から逃れるわけにはいきません。そして、この時期に何百万社といわれる中堅、中小企業の経営を支えられるのは職業会計人の皆様なのです。
実は巷の会計事務所こそが、資金面、人事面、事業承継、中長期的な経営戦略の立案、そして経営者のより身近にある相談相手としてなくてはならない存在なのだと強く思う次第です。
その会計事務所をご支援するために、まさに実務経営サービス、実務経営研究会は存在すると考えています。そしてこれからも皆様の「お役立ち」となるべく、良き経営情報、良き経営支援ツール、デジタル支援業務、M&A支援業務と、幅広く職業会計人の皆様をご支援させていただきます。今年もBMSグループをよろしくお願い申し上げます。

株式会社実務経営サービス 代表取締役会長
中井 誠

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