わが家には13歳になるネコがいます。雌の三毛猫で、推定生後3カ月くらいのときにさいたま市の動物愛護センターで出会い、家族になりました。13年一緒に暮らしてきましたので、それなりの信頼関係は築いていますが、何というか「自由だなあ」と感じています。長年立場は変わりながらも大小の組織で仕事をしてきた身から見て、なんともうらやましくもあります(笑)。
ただ、彼女には彼女なりのルールやルーティーンがあります。トイレは必ず決まったところ2カ所を使い分け、排せつする場所も大体決まっています(当たり前か(笑))。大体同じ時間に家の中をチェックして回り、ひとしきりおもちゃなどで戯れ(運動して)、また寝る。寝る場所も季節の気温に応じて変えていますが、寒いときはここ、暑いときはここ、とほぼ決めているようです。ときどき廊下に座って誰もいない玄関口をじっと見ているときは、きっと邪気払いをしてくれているのだろうと勝手に思っています。
家の中の狭い空間が彼女の世界の全てなので、初めの頃はかわいそうだな、と思っていました。でも今は、狭いとか広いとかはヒトの感覚であり、彼女にとっては物理的な狭さそのものを苦痛に感じることはなく、自分の世界を内外にしっかり持っていて、その中で生きているのだと感じています。
そして、そういう存在が家の中にいると、とても癒やされます。ストレスや悩みも触れ合うだけで軽減されていくのです。なので、最近は感謝しかありません。
2019年の日本ペットフード協会の調査によると、完全室内飼いのネコの平均寿命は15.95歳となっています。考えたくはありませんが、いずれくる「そのとき」にどうするか……。それまでのときをできるだけ楽しく幸せに過ごしてほしいと思っています。
それを考えるなら、自分自身のこと、家族のことも同じですね。寿命は誰にでもありますから。仕事や人間関係などの悩み、そのこと自体は重要なことですが、生物は生まれて、生きて、種を保存して死ぬという生物本来の基本的なことを考えさせられます。そうすると、先ほどの仕事などの悩みは軽減されていくのですね。
生き続けていることに感謝し、どんな壁も死ぬ気で頑張ればなんとかなるのではないでしょうか(必ず越えていけるとはいえませんが(笑))。
なんだかんだ語っているけど、結局見せたいだけじゃん、と思われそうですが、今回はこれで(笑)。
株式会社実務経営サービス
代表取締役社長 板垣 誠