平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
ゴールデンウイークは観光地各所も人出が戻りつつあったようですね。確かにその反動で感染者数は増えているようですが、致死率は刻々と減っていると報道されています。withコロナの新しい時代に入っていく予感がします。
前回の私の本コラムで触れましたが、4月にエストニア在住の日本人、小森ガブリエル努氏が約2年ぶりに来日し、セミナー「欧州の最新動向/ポストコロナ・ウクライナ危機・気候変動」を行いました。その話のなかで印象的だったのは、歴史の新しい小国であるがゆえにDX化が大きく進んでいるエストニアは、企業経営は「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・ヒト」に移行した感があるということでした。
また、彼が日本に帰国した際、いろいろな処理が一気通貫でデジタル処理されず、デジタルとデジタルの間にアナログがあり、いちいち関わる人がいるため、エストニアでは1人でできる対応を10人で行っていることに「違和感」を覚えたそうです。一人ひとりは真面目に誠実に仕事をしていたので、これは国の仕組みの問題かなと思ったそうです。また、DXという言葉が一人歩きしていると感じたそうです。日本の各業界の人材不足の原因はそこにあるのかもしれませんね。
また、キャッシュ(現金)を使う場面が多いとのことです。これは、日本は歴史が古いだけに、どうしても遅れてしまうのだろうと思います。私自身、最近ようやく友人との飲み会で、PayPayで割り勘ができるようになりましたので、まあ遅れているといえるでしょう。ただ、キャッシュレスが進むと子供もそうなり、「子供のお金の感覚」がなくなるという問題はあるそうです。
コロナ禍でデリバリーや無人レジも一気に進んだようですが、その反動で、「おしゃべりレジ」という、有人でその人といくらでもおしゃべりができるレジが人気というのも皮肉な話でした。
最後にウクライナ危機について。エストニアもロシアに隣接し、2004年にNATOに加盟しています。とはいえ危機感は大きく、軍事費については、GDP比1.6%から2%に上げようとしているとのことです。これは攻撃力というより「抑止力」を高める目的で、「お金で安全を買おう」ということだそうです。これは、日本にも必要なことだと私は思います。
本当に一部ですが、印象的なお話を紹介させていただきました。もちろん他にも多くの情報がありました。間もなく「実務経営カレッジ」にこのセミナー動画はUPされます。実務経営研究会会員の皆様は、毎月の会員パスワード(数字4桁)を入力すればすぐにご覧いただけますので、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
最後に問題です。エストニアはコロナ禍中、国がいくら「STAY HOME」を国民にお願いしても、なかなか守ってくれなかったそうです。しかし、「あること」で一気に「STAY HOME」が進みました。その「あること」とは何でしょうか。答えは小森さんのセミナー動画で確認してください。
株式会社実務経営サービス
代表取締役社長 板垣 誠