私は昔からモータースポーツが好きで、なかでもF1はホンダの第2期参戦、日本人初のF1ドライバー中島悟がデビューした1987年からずっとウオッチしています。
ずっと見てきて思うのは、卓越したドライバーが注目されがちですが、モータースポーツにおいても他の団体スポーツと同じように、チーム力が長いシーズンの勝敗を決めるということです。車体、エンジン、それを組み立ててメンテナンスするエンジニア、レース戦略を組み立てるスタッフがいて、最後にそれをコースで実践するドライバーの全てが揃って成り立ちます。いくらスキルの高いドライバーがいても、チームの総合力がないと勝てません。これはエンジンや車体がいくら進歩しても変化しても、昔から変わらないことです。
今、会計業界ではコロナ禍も相まっての大きな変化として「DX化」が叫ばれていますが、このDX化も同じで、どんなによいツールがあってもそれを事務所に合った形で導入し、使い手がそれらの効果や意味を考えて使いこなし、それによって得られる時間やデータをいかに活用するか。そこまで総合力でしっかり動かしている事務所や会社(当社も含めて)は、実は結構少ないと思っています。
よりよいDX化を実現するためには、組織のトップの経営に対するビジョンや社員に対する想いなどが一番先にあるべきなのだと感じています。私自身の自戒の念を込めて申し上げています。
先日、当社主催のセミナーで、サン共同税理士法人代表の朝倉先生がまさにそのことを仰っていて、共感と反省の念を抱きました。そしてその同じセミナーで辻・本郷グループの本郷会長は、「DX化についてはやらないよりはやったほうがよい。たとえ失敗しても」と仰っていました。それもまた大切なことだと感じました。
話はF1からDX化にそれてしまいましたが、F1のチームでいえば、当社は中堅で時々失敗することもあるけれど、メンバーが一丸となって取り組んでいて、よい成績のときには思いっきり喜んでいる、そのようなチームになるよう取り組んでいきます。そして、F1のレッドブルやメルセデスのような常勝チームにし、後進に引き継ぐことを目標に邁進していきます。
昨年から今年と日本製エンジンを積んだチームが強いので、ついつい気分がよくF1を無理やり絡めたコラムとなりました。
10月に行われる3年ぶりの鈴鹿開催の日本GPに行きたいなあ(笑)。
株式会社実務経営サービス
代表取締役社長 板垣 誠