今年の夏、ある税理士の先生に紹介されて下記の書籍を読みました。

「新しい資本主義」のアカウンティング
─「利益」に囚われた成熟経済社会のアポリア
早稲田大学教授 スズキ トモ 著
中央経済社 刊

その先生はこの本を読んだあと、著者に連絡して直接話も聞いたそうです。ぜひ読んでいただきたく、概要をお伝えします。

失われた30年で「利益」は急増。しかし問題は生産性にあるわけではなく、株式市場(制度)の逆機能にある。成熟経済社会が深化する日本では、個別企業の「株主」利益最大化は、コストカットの名のもとに他のステークホルダーである「役員・従業員・事業(再投資)など」への分配を削り取っている。
その結果、国全体で生産される付加価値合計(GDP)は増加せず、持続可能な成長が阻害されている。旧来の資本主義モデルにおける利益最大化経営で「ヒト」への投資が犠牲となり、行き過ぎた株主還元により、成長の原資もままならない状態に陥っている。
この構造上の問題=アポリアを打破するために「新しい資本主義」はどうあるべきか。この問題に、長年オックスフォード大学で教鞭を執り、帰国後も岸田政権などに影響を与える筆者が真正面から答え、新しい会計(Account+ing)=DS経営モデルを提唱し、付加価値の適正分配による日本再興の実現を説いている。

内容は、主に上場企業など大企業の問題かもしれませんが、中小企業は、例えば「コストカット」や社員への分配の減少により、消費が増えないことからの影響が少なからず出てきています。
つまり、日本経済全体が活性化し日本が再興しなければ、当社ももちろんですが、中小企業も主な取引先が中小企業の会計事務所も厳しくなっていくのだと思います。
こうした状況や今後の方向性について、ぜひ会計事務所の皆様にも聞いていただきたいと思い、紹介してくださった先生経由で著者である早稲田大学教授のスズキ トモ先生に、「ぜひ会計事務所サミットという会計事務所関係者が集まるイベントで講演していただきたい」とダメもとでオファーしました。ところが、その結果は「快諾」でした。私がとても喜んだのはご想像のとおりです(笑)。
そして12月13~14日に開催される会計事務所サミットの大トリで、スズキ トモ先生にご登壇いただきます。私は、皆様にぜひ生でスズキ トモ先生の講演を聴いていただき、これからの日本経済が進むべき方向を見いだし、それを顧問先にもお伝えしていただきたいと思っています。
会場においでになるのが難しい場合は、オンラインのLIVE配信や後日の配信もあります。私自身、当日の講演が今から楽しみです。会計事務所サミットでは、その他にも日本最速令和5年度税制改正考察、デジタルインボイス、SDGs、DX、採用などのセミナーやディスカッションが予定されています。ぜひ、3年ぶりにリアル会場で行う「会計事務所サミット」にご参加ください。

株式会社実務経営サービス
代表取締役社長 板垣 誠

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