長いコロナとの闘いも、なかなか終わりが見えないまま、とうとう第7波に突入してしまいました。しかし、相変わらず同じことを繰り返しているように見えるのは、私だけでしょうか。然りとて、このような状況であっても、経済活動をこれ以上停滞させるわけにはいかないのも現実です。
今年の秋以降、コロナ融資の返済スタートに伴う中小企業の資金繰り、もし、行政からまたもろもろの制約が発令されてしまった場合の対応、さらには長引く人材の採用の厳しさ等々、中小零細企業の心配事は尽きることがありません。
コロナ禍が続くこの状況下だからこそ、中小企業の最も身近な相談役であり、パートナーである会計事務所はまさに腕の見せ所です。電子帳簿保存法、インボイス制度と新しい税制もどんどんめじろ押しです。このタイミングであるからこそ、会計事務所は顧問先である中小企業を守り、自らの事務所の成長に向けてのグランドデザインを描かなければなりません。自らの事務所が成長をしないで、顧問先である中小企業の成長を促すことは現実味に欠けるのではないでしょうか!
そのような状況のなか、昨今の若手会計人(30代後半から40代前半)の皆さんを取材した際に強く感じることが何点かありました。
近畿圏の某若手事務所では、開業から5年目ではありますが、まず自らの事務所の成長戦略を職員さんと共有することから始め、分かりやすい経営計画書を期初に作成し、職員さんとともに計画書を基に毎月予実の対比を行い、成長戦略の是非を全員で確認し、達成に向けて邁進しています。この実践的体験があるからこそ、お客様に対し積極的な経営支援に自信を持って臨むことができるのです。
続いて山陽、中国地方の8年目の若手事務所では、コロナ禍に入る前から顧問先に対する徹底的な資金繰りの支援、指導を続けています。補助金、助成金、制度融資と、コロナ禍で中小企業の血液を供給する仕組みは数多く生まれました。しかし、無駄な資金、必要以上の資金を調達することにより、返済におけるリスクを抱えることの無意味さを伝え、平準化することの必要性を分かりやすく伝え続けてきました。これにより、顧問先からの信頼は強固なものとなり、新しいお客様のご紹介にしっかりとつながっていきました。
今、成長を続けている若手事務所は、間違いなく職員さんたちを巻き込んで事務所一丸となって、お客様のサポートにあたっています。また、自らの事務所の得意技をしっかり磨き、他事務所との差別化を図っているのです。
弊社、実務経営研究会では、大型事務所の情報だけでなく、若手事務所の成長戦略にもフォーカスして、会員事務所の皆様にお伝えしてまいります。これからも「実務経営サービス」、「実務経営研究会」をご支援いただければ幸いです。

株式会社実務経営サービス
代表取締役会長 中井 誠

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