昨年から引き続き、コロナ禍の状況が治まる気配がありません。ワクチンの接種が始まりましたが、これも絶対量が不足しているようで、なかなか予定どおりにはいきそうもありません。緊急事態宣言が解除されて、少しは日常が戻るかと思いきや、まん延防止等重点措置なるモノが大阪、兵庫、宮城に改めて発令され、さらに東京、京都、沖縄にも適用されました。もう1年以上も、世界中がこのコロナに振り回されています。そろそろ、より有効な対策が生まれてほしいと、切に願う次第です。
 さて、そのような状況であっても、確定申告は始まり、3月決算もスタートするわけです。今年も確定申告は3月15日ではなく、4月15日が締め切りになっています。各事務所の先生方にお聞きすると、お客様からの必要書類が集まらず、3月に終わらせるつもりが4月になってしまった、という声が多く聞こえてきます。当然お客様にも、4月に延長されているという情報が伝わっているわけですから、面倒なことは後ろへという気持ちになってしまうのでしょう。なかなか難しいところですね(笑)。
 そんな多忙を極める会計業界ですが、この状況下でも、ドラスティックな動きが散見されます。
従前からいわれていた会計事務所の大型化、規模の拡大が改めて進行しているように見えます。年間の売上が10億円を超える会計事務所の数は、20年前に比べて何と10倍近くになってきています。もちろん、自前で成長を続けている事務所もありますが、会計事務所の事業承継をご支援して、後継者のいらっしゃらない事務所を統合するM&A型も、間違いなく増えてきています。最近では大型事務所同士の対等合併型も現れ、超大型化に拍車がかかっている様子です。
 いわゆる、会計事務所の成長戦略のひとつとして、事務所同士のM&Aも認知されてきているといえそうです。特にここ4~5年は、高齢、かつ後継者不在問題でM&Aを検討される先生方だけでなく、まだ40代、50代であるにもかかわらず、譲渡側として戦略的にM&Aを考えられている先生方も増えている状況です。
 実際、弊社が仲介させていただいている事案においても、毎年複雑化する税法の改正、事務所経営におけるガバナンスの難しさ、職員育成の厳しさなど、経営者として頭を悩ます問題が山積し、より早く問題を解決するため、より早い成長を目指すために譲渡側としてのM&Aを選択されるケースが増えています。時代の変化、価値観の変化とともに事務所成長戦略も新しいフェーズを迎えているといえるかもしれません。
 弊社も微力ではありますが、会計業界のさらなる発展と成長のため、尽力させていただく所存です。
これからも実務経営サービス、実務経営研究会にご期待を頂ければ幸いです。

株式会社実務経営サービス 代表取締役会長
中井 誠

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