杉谷範子先生の人生100年時代を見据えた「新・相続」「第4回 ロイヤルカスタマーのための 事業承継対策とは」
司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子
人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けて、この連載で紹介しています。
コロナ禍のなか、多くの中小企業が厳しい経営環境におかれています。中小企業白書によると、企業経営者の年齢は、1995年から2015年の20年間で経営者の年齢のピークは47歳から66歳へシフトしています(図1)。ざっくり計算すると、1年ごとに1歳ずつ延びることになり、2020年は71歳になるのでしょうか。
ところで、健康寿命という指標をご存じですか? これは、WHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間で(厚生労働省e‒ヘルスネットより)、令和元年版高齢社会白書によると、男性の健康寿命は72・14歳、女性が74・79歳(2016年時点)。平均寿命から計算すると、平均的な介護状態の期間は、男性が8・84年、女性が12・35年となります(図2)。
ところで、先ほどの中小企業経営者の年齢のピークは71歳でした。平均的な男性の健康寿命が72歳なので、そろそろ限界です。
事業承継において、後継者の育成には5年から10年かかると、過半数の人が考えていますが(2016年度中小企業庁の事業承継ガイドライン、図3)、70歳を超えた経営者が事業承継に着手していないのであれば、早急に始めるべきです。コロナ禍による経営環境とオーナーの認知症などの健康状態の悪化は、企業経営にとってダブルパンチになります。
次のチェックリストをご覧いただき、皆さまの顧問先はいくつチェックがつくか、ご確認いただけますでしょうか?
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