税理士法人コスモス 代表社員 税理士 鈴木成美

今回から、会計事務所の生産性を高める方法について、具体的に解説していきます。まずは、私が代表社員を務めている税理士法人コスモスが、ひとりあたり3000万円の生産性をどのようにして実現しているのかをご説明したいと思います。

ひとり3000万円稼ぐ事務所のポイント

コスモスが生産性を高められたのは、さまざまな工夫を積み重ねた結果ですが、まとめれば次の6点に集約できます。

  1. 高い目標設定
  2. 全員が「経営者」となる
  3. 人間性を高める
  4. 技術を高める
  5. 全員で営業
  6. 公正な評価

高い目標設定

会計事務所の生産性を高めたいと思ったら、高い目標設定が必要です。達成できないことを恐れ、目標設定を低くすると、事務所の成長の可能性は、その低い目標に制約されてしまいます。自分が限界だと思う目標の、さらにその上を目指しましょう。
コスモスは2003年に税理士法人化しましたが、このときの売上は2億円弱しかありませんでした。それでも私たちは、具体的な数字を掲げる中期目標のほかに、「日本一の会計事務所になる」という長期目標を立てました。後者は、「どのようなことでもよいので、とにかく日本一だと誇れるものをもつ事務所になろう」というものです。
なぜこのような長期目標を掲げたのかといいますと、数字だけにこだわっていると自由度がなくなり、選択肢が狭まってしまうからです。職員には、「コスモスの経営理念は『無限の可能性を追求する』なのですから、何かに限定せず、皆さんが日本一になりたいもので、努力して日本一になりましょう」と伝え、理解してもらっています。
無限の選択肢がある目標を掲げているからこそ、コスモスは多様な付加価値業務を有する事務所になったのだと思いますし、独自の工夫で生産性を追求するという道を歩めたのだと思います。

こちらは 実務経営研究会会員 用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。