株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

近頃、組織論の世界では、「ティール組織」が話題を独占しています。今までにない組織論、従来の常識を打ち破った新しい組織形態と位置づけられています。
先進的な経営者は、ティール組織に興味をお持ちかもしれませんので、質問されたときに答えられれば信用を得られるのではないかと思い、今回の連載のテーマに据えました。
ティール組織は今までの常識を打ち破る組織論であると同時に、組織に新しい息吹を吹き込むものであり、今後はこのスタイルが常識になっていくと思います。
ですから、ティール組織がどのようなものかを押さえておくことで、今後の組織のあり方を理解できると思います。

ティール組織の発見秘話について

ティール組織は、経営コンサルタントのフレデリック・ラルーさんが、コンサルティングを行っているなかで、いつも感じていた疑問を解消する過程で見つけた組織形態です。
きっかけは、ラルーさんがコンサルティングを引き受ける会社が、例外なく経営者と社員が誰も幸せではないことを不思議に思ったことです。
ラルーさんは、「経営者や社員が皆幸せな会社はないのだろうか」という疑問を抱き、世界中にアンテナを張り巡らして、誰もが幸せな会社を口コミで探しました。そして、「経営者や社員が皆幸せを感じる会社」は、国や業界、規模に関係なく、共通の特徴を持っていることを見つけました。
それらの会社は、お互いの存在を知らずに独自に幸せを追求していったら、たまたま同じ形に落ち着いていたという経緯を持ちます。
ラルーさんは、このことを書籍「ティール組織︱︱マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」(英知出版、2018年)にまとめて出版しました。
それが一躍大ヒットして、経営書の世界的なベストセラーになりました。日本では「HRアワード2018優秀賞」「ビジネス書大賞2019年経営者賞」に選ばれ、「今最も注目される新時代の組織論」と、素晴らしい評価を得ています。

こちらは 実務経営研究会会員 用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。