株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏
前回に続き、今回も経営の原則について解説します。
考え方に関する原則
企業の評価や品質を決めるのは現場です。社員とお客様との間で繰り広げられている真実の瞬間、工員さんが工場で真剣に物作りに取り組む姿勢など、現場で起きていることで、企業の価値は決まります。
マネジメントはその現場を支え、よりよい品質・評価の製品、サービスを作るために、社員の教育・支援・管理・指導を行っています。
よりよい現場をつくり上げるための考え方、行動にも原則がありますので、詳しく見ていきましょう。
絶対肯定の原則
仕事で大切なことは、決して否定的に考えないことです。たとえミスがあっても、うまくいかなくても、まずはその事実を認めます。そして、「なぜそうなったのか」を考えて原因を究明し、「うまくいくためにはどうしたらよいか」「どうあるべきか」を考えます。
物事の捉え方や考え方は、全て肯定的であることが大切です。空観(くうがん)からすると、世の中には無駄なものは一切存在しません。必然必定です。目の前にあるものをどう捉えるかで全てが決まります。決して否定的に考えず、肯定的に考えて対応することで、物事は改善していきます。
結果時間差の原則
宇宙には、原因と結果の法則が流れています。よい原因をつくればよい結果が得られ、悪い原因をつくれば悪い結果となります。
その一方で、慣性の法則のように、あらゆる物事には今の状態を保とうとする働きがあります。そのため、原因をつくっても、結果が顕れるまでには時間がかかります。だから、われわれは三日坊主になってしまうのです。「努力してもなかなか恵まれない」「憎まれっ子世にはばかる」というような事実に、われわれはつい、めげてしまいます。
しかし10年、20年、30年というスパンで考えると、原因通りの結果に必ず落ち着きます。大切なことは、根気よく小さな努力をコツコツと継続して積み重ね、早急に結果を求めないことです。頭を使って創意工夫をし、少しでも違いをつくることが大切です。