近藤学税理士事務所 所長/有限会社koganemushi 代表取締役 税理士 近藤 学
日次資金繰り表「ブルーバード」を無償で提供
先日、経済産業省の中小企業施策のブレーンを務めている知人のTさんから、新型コロナウイルスで困っている小規模事業者のために、資金繰り表の指導が必要だという話を聞きました。
Tさんは阪神淡路大震災のときに経営していたホテルが被災し、その後リーマン・ショックにより倒産の経験をされています。その苦しかったときに、資金繰り表を作ったことで現実と向き合うことができ、希望を持つことができたと話されていました。
そのことが心に響き、日次資金繰り表のエクセルのマクロプラグラムを、SNSを通じて無償でダウンロードできるようにしました(URL:https://note.com/koganeman)。2020年4月24日現在、275名の方がダウンロードしています。
ソフトは、コロナ(かつてのトヨタ車)に対抗するということで、「ブルーバード」(かつての日産のライバル車)と名付けました。単なる日次資金繰り表ではなく、10口座まで1枚のシートで管理できるようにしています。手前味噌(みそ)ですが大変便利で、私自身も資金繰り表入力を毎朝の日課にしています。
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「日次資金繰り表ブルーバード」は、「資金繰り予報士®こがねむしクラブ」会員に提供しているソフトで、2020年4月より近藤氏のSNS(URL:https://note.com/koganeman)から無償でのダウロードが可能となっている。近藤氏が実際に自らの法人と個人の事業の資金繰りをしながら大幅に改良が加えられている。複数口座や関連会社をまとめて管理できるようになっていて、預金口座10個まで1つの表で管理できる。
また、「ブルーバード」という名称には、車種の名前だけでなく、「幸せを運ぶ青い鳥」になってほしいという願いも込められている。
「資金繰り予報士®こがねむしクラブ」を設立し、20本以上のツールを提供
私がエクセルのマクロプラグラムを開発するための言語VBAを学び始めたのは今から約6年前のことです。きっかけは、会計ソフトの仕訳データから一発で資金繰り実績表を作ろうとしたからです。ご存じのように、エクセルで仕訳データから資金繰り実績表を作ろうとすると、非常に時間かかります。また、再現性がなく、毎回作るたびに数時間を費やします。
それを解決しようと思い立ち、大阪市内の個人経営のパソコンスクールに入学しました。大手パソコンスクールに行かなかったことが幸いしました。経営者兼先生は元ソフト開発者でしたので、作りたいソフトのイメージを説明すると、サンプルプログラムをすぐに書いてくださいました。
それを組み合わせるうちに、5回通った頃にはイメージ通りの資金繰り実績表が完成しました。先生も驚かれたくらいによくできていました。自分だけのものにしておくのはもったいないので、2万5000円でダウンロード販売をしてみたら、これが結構売れました。
その後面白くなって、自分が税理士業をしていて不便だと思うものを、片端からソフトにしていき、ある程度プログラムが溜まった段階で、他の税理士の方々にも使っていただこうと思い、「資金繰り予報士®こがねむしクラブ」と名付けた有料会員サービスを始めました。資金繰り表を中心に20本以上の現場目線で作ったプロユースのソフトを無制限にダウンロードできるようにしています。現在約210名の会員様に在籍していただいています。