フランクリン・プランナー・ジャパン株式会社
自分自身が担う役割を意識する
全ての人は仕事だけでなく、多くの役割を担って生活しています。例えば、Aさんは仕事ではチームを率いるプロジェクト・リーダーであり、Bさんの部下やCさんの先輩であり、顧客を支えるコンサルタントです。仕事以外では、夫、父親、子ども、地元野球チームのコーチなど、多様な役割を果たしていることでしょう。
しかし、往々にして仕事上の役割や特定の人間関係など、役割における比重が一部のものに偏ってしまいがちです。特に仕事が忙しいときは、仕事以外の役割は二の次という方も多いことでしょう。
複数の役割のなかで、何が重要なのかを決めるのはその人の価値観次第ですが、基本的には、「仕事さえうまくいけば家族や友人との関係はどうでもいい」「恋人との時間が大事だから、それ以外の人間関係は最小限にとどめよう」などと思う人はいないはずです。家族や友人とも良好な関係を望んでいるに違いありません。
しかし、「きちんと向き合わなければと分かってはいるけれど、先延ばしにしている役割」を誰もが少なからず抱えているのではないでしょうか。長年放置してきただけに、いきなりその役割にスポットライトを当て、「今から何ができるか」「今すぐ何をすべきか」を考えるのは、なかなか気が重いことかもしれません。
また、その役割をおろそかにしていると、相手から信頼されなくなり、人間関係が壊れたり、ストレスがたまって仕事に身が入らなくなるかもしれません。結局は仕事の生産性が低下したり、あなたの評価が下がりかねません。
ある役割の責任を別の役割で補うことはできません。家庭での役割を仕事で補うことはできないのです。補うどころか、ある役割をおろそかにすれば、他の役割に悪影響を与えてしまうことは容易に想像できます。
長期的に考えると、あなたが担うさまざまな役割のバランスを取らないと、おろそかにした役割が他の役割に悪影響を与え、大切な人間関係にヒビが入ったり、仕事の生産性を低下させてしまったりします。
役割を考えるときに大切なことがあります。役割とは、単に「仕事」「家庭」といったカテゴリーのことではなく、「その役割における対象者への責任」です。仕事をすればいい、父親であればいいということではなく、仕事であれば、上司や顧客や部下、父親であれば妻や子どもに対して、その責任を果たすということです。
そして、責任というからには、対象者が求めていることを理解しなければなりません。少し厳しい言い方かもしれませんが、ライフバランスとは、あなたのなかで仕事とプライベートのバランスを取るという側面もありますが、むしろ、あなたが担う責任を、全ての役割においてまっとうするということになります。