フランクリン・プランナー・ジャパン株式会社

重要事項に集中する

ビジネス・パーソンの生産性向上が叫ばれて久しいですが、なかなかうまくいかない人が多いようです。そもそも、生産性向上とは、工場やもの作りの現場でどれだけ、より多くのものを短期間で作ることができるかということから始まったものですから、知的ビジネス・パーソンにとって生産性を向上させるのは簡単なことではありません。
通常、多くのビジネス・パーソンは、ルーティンワークを主にこなしています。営業職であれば、顧客とアポイントを取り、商品やサービスを紹介し、商談がうまくいけば、社内の業務プロセスに乗せて仕事をこなします。内勤の人は、社内外の顧客からオーダーを受け、次のプロセスに回していくといった業務を行っているわけです。
そういう意味で考えれば、生産性の向上を果たすには、2つのアプローチがあります。
ひとつは、ルーティンワーク自体の効率性を上げるということです。例えば、ルーティンワークをこなす技術を上げ、1時間に10枚の書類しか作成できなかったところを15枚できるようにするという生産性の向上です。普段、生産性の向上といえば、このことを指します。
もうひとつは、全体の仕事に対して生産性を上げるということです。つまり、仕事の仕方を変えたり、将来のビジネスのシーズをつくったり、大きな視点で考えることが、本質的な生産性の向上につながります。
ルーティンワークをいくらうまくこなしたところで限界はありますから、日々のルーティンワークをこなしつつ、新たなビジネスの戦略を立てたり、成長のための勉強をしたり、また、人間関係を築くための活動をするなど、本質的な生産性向上に取り組まなければなりません。
とはいえ、緊急事態に振り回されてルーティンワークに追われ、タスクをこなすのに四苦八苦という方も多いのではないでしょうか。
緊急事項は消防車のサイレンのようにあなたの都合を考えることなく割り込んできますので、意識的に時間を確保しないと、本質的な生産性向上に取り組むことはできなくなります。
準備や計画など緊急ではない重要な事項はあなた自身の内側にあり、誰も教えてくれないからです。例えば、読書が重要だと思っても、本は消防車のようにサイレンを鳴らしません。

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