フランクリン・プランナー・ジャパン株式会社

スケジューリングする前に

 前回は「目標」をブレイクダウンして中間ステップを設定し、さらに月間目標も設定しました。これから実際のスケジューリングに入っていくのですが、今回はタスクの「重要性と緊急性」について考えてみましょう。
 多くの場合、スケジュールを立てても「日常の雑用に追われてできない」「急な仕事ばかり頼まれて、せっかくやろうとしていたことに手をつけられなかった」などさまざまな問題が発生します。
 これは、今までのように、タスクを単にスケジュール帳の空いた時間に記入するだけでは解決が難しい問題です。
 私たちは1時間を2時間にするといったように、時間の長さや時間の進むスピードを変えることはできません。計画と現実のギャップをなくしていくには、自分自身の時間管理に対する意識と考え方を根本的に変える必要があるからです。
 そのためには、実際にスケジューリングを行う前に、自分がどういった時間の使い方をしているのかを認識することが重要になってきます。

時間管理のマトリックス

 そこでご紹介するのが、「時間管理のマトリックス」です。これは、日々の行動を4つのカテゴリーに分類した表です。このマトリックスを使って、あなたの時間の使い方を検証し、理想や目標を実現するスケジューリング方法を考えていきます。
 私たちの活動や行動は、基本的に4つの領域に大別することができます。それを定義する2つの軸が「緊急度」と「重要度」です。そうすると、図1のように4つの領域に分類することができます。
 この「緊急」と「重要」を軸にしたマトリックスを見ると何が分かってくるのでしょうか。
「緊急性」に弱い私たちですが、「緊急」なものが全て重要なわけではありません。逆に、「緊急ではないが、重要なこと」もあります。時間管理のマトリックスは、それらを分類し、タスクの「緊急度」と「重要度」を認識することに役立ちます。
 緊急な事柄は、自分の意思や都合に関係なくやってきて、それでも無視しようとすると、さらに大変な事態を引き起こしかねないと思いがちです。ほとんどの仕事がこの領域の仕事だと感じる人もいるかもしれません。基本的に、人から指示された仕事は「緊急性」を持ってきます。
 一方、重要性から見るとどうでしょう。緊急で重要なことには、何をさておいても対応しなければなりません。では、緊急ではないが重要なことはどうでしょう。
 この領域のことは、重要なのですが、緊急性を持たないので、誰からも強制されないので、先送りされがちです。読書や体づくり、計画などは典型的かもしれません。何より、この領域のことは、自分以外の誰からも指示されることはほとんどありません。

こちらは 実務経営研究会会員 用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。