レッドスターコンサルティング株式会社 経営コンサルタント・ビジネスプロデューサー/代表取締役 大野 晃
士業報酬はテクノロジーの進化により相場が下がり続けている。資格業務での差別化は難しく、過当競争の末に大型資本に呑み込まれていくのが関の山だ。ならば、税理士もこれまで積み上げてきた経験と信用を生かし、価格競争とは無縁のサービスを起業すべきであると提唱するのは、レッドスターコンサルティング株式会社(東京都港区)代表取締役の大野 晃氏(写真)だ。経営コンサルティングサービスをスタートしたのち、自らの税理士事務所をM&A。「士業から起業家へ」をスローガンに、レッドスターコンサルティングを立ち上げ、経営コンサルタントおよびビジネスプロデューサーとして、わずか2年で数々の実績をつくり上げた。そして現在、それらの経験からつくったコンテンツを武器に、YouTubeで積極的に動画情報「税理士2・0 AKIRAチャンネル」を発信し続けている。これからの税理士が目指すべき起業家への道について、大野氏にお話を伺った。(写真撮影:大山美穂)
資格に依存しない体質に改善する
―― 現在は、経営コンサルタントとして活動されている大野先生ですが、まずは、税理士を目指したきっかけをお聞かせください。
大野 私が税理士になろうと思ったのは、税務が好きだったからではありません。自分の人生を自分で決めたいと思ったからです。
中学・高校時代、出来の悪かった私は、親に言われるまま、大学入試に有利だからとラグビー部に入り、行けるところに行くしかないと、偏差値30台の工業高校へ進みました。自分の意志で進む道を決めたいと思うようになったのはその反動です。
そして、高校卒業後は自分の意志で旅行の専門学校へ入り、さまざまな経験と出会いのなかで、ふと自分の人生を振り返ったとき、将来自分に子供ができたら、胸を張って「夢を追え」と言えるだろうかと自問しました。そして、自分にはそのような資格はないと思いました。夢を追うために、税理士試験に挑戦する決意をしたのです。
―― 続いて、レッドスターコンサルティング株式会社の設立動機からお話しください。
大野 会社のコンセプトは「士業から起業家へ」です。新聞などでもいわれていることですが、テクノロジーが進化するなか、税務だけに固執していると、会計事務所はどんどん尻すぼみになっていくでしょう。当社は、そのリスクを回避するために、資格に依存しない体質への改善を提唱しています。