タスク・マネジメントの落とし穴

仕事はもちろん、プライベートでも実に多くのタスク(活動や作業)があります。いったいどれだけのタスクを抱えているのか分からないという人もいるかもしれません。基本的にタスクとは、時間が決まっているものと決まっていないものがありますが、時間が決まっているものは多くの場合、スケジュール(アポイント)として、管理(マネジメント)されます。
そして、時間が決まっているものは、原則として他人との約束が設定されているということですから、実行される可能性は高くなります。平気でミーティングをキャンセルする人はまずいません。ところが、時間が決まっていないタスクは、計画を立てないと、どれから手をつければいいのか迷ってしまいます。
そうすると、必然的に時間が決まっていないもののなかでも締め切りがあるタスクや顧客からのクレーム、トラブルやアクシデントなど、緊急なタスクから手をつけることになります。緊急なタスクは、目覚まし時計が鳴るようにあなたをせき立てるからです。
しかし、「緊急」なものが全て重要なわけではありません。その結果、緊急ではない人間関係づくりや準備などの重要なタスクは後回しになりがちです。
この点を押さえたうえで、目標を効果的に達成するためのタスク・マネジメント10のポイントをご紹介します。

①緊急ではなく重要なタスクを行う

3月号でご紹介した「時間管理のマトリックス」(図1)を思い出してください。これは、タスクを「緊急」と「重要」によって第Ⅰ~第Ⅳ領域に分類し、「緊急ではないが重要」(第Ⅱ領域)なタスクを明らかにします。
「時間管理のマトリックス」は目の前のやるべきことを整理するためではなく、自分にとって大切な活動をスケジュールに組み込むことにあるのです。締め切り優先になりがちなのがタスク・マネジメントです。しかし、締め切り優先は大きな落とし穴です。
「緊急かつ重要」(第Ⅰ領域)なタスクに追われている方や追われていること自体に充実感を味わっている方は、「緊急ではないが重要」(第Ⅱ領域)な「人生において大切なタスク」に取り組む時間がないと嘆いているかもしれません。確かに「緊急かつ重要」なタスクが減らない限り、第Ⅱ領域のタスクを実行することは難しいのも事実です。

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