株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

「奇跡のコース」は、数ある霊性の教えのなかでも特殊な位置づけにあります。今回はその特殊性についてご説明します。

「奇跡のコース」は完全な一元論

「奇跡のコース」の最も特殊なところは、完全な一元論であることです。
実在するのは愛のみであり、愛の反対概念はありません。他の霊性の教えは二元論であり、すべて対立する概念が存在します。そこが違いです。
第1巻〈テキスト〉は、次のような序文で始まっています。

これは奇跡についてのコースです。これは必修のコースです。あなたに任されているのは、コースを受ける時をいつにするかだけです。自由意志とはあなたがカリキュラムを設定できるという意味ではありません。あるときに何を学ぶかを選択できるという意味です。このコースは愛の意味を教えることを目指すものではありません。というのは、愛の意味を教えることはできないからです。しかしながらこのコースはあなたの生得の権利である愛の存在について、自覚を妨げている障害を取り去ることを目指します。「愛」の反対語は怖れですが、すべてを包括するものに反対語はありません。
故にこのコースは次のように端的に要約することができます。

実在するものは、存在を脅かされることはありません。
非実在なるものは存在しません。

ここに「神」の安らぎがあります。

一元論ですから、愛のみが実在しており、それが天国であり、神であり、我々の本質は神であり、全てがつながっており、ひとつであるというのです。
それ以外は全て幻想で、実在していないと考えます。我々が住んでいるのは幻想の世界であり、無だと定義しています。
そうはいわれても、我々はこの世界を実在すると考えています。自分は存在しており、他者とは分離独立した独自の存在だと考えており、その感覚を疑うことはありません。
そのような我々の感覚が、どのようにして生じたのか。どうすれば本来の自分を取り戻せるのかが、「奇跡のコース」のテーマです。

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