株式会社ミロク情報サービス 執行役員 営業本部営業推進部長 井上善宏
株式会社ミロク情報サービス(東京都新宿区)は、会計事務所やその顧問先を対象とした財務・会計ソフトを開発・提供するベンダーとして広く知られている企業だ。しかしながら、近年の取り組みは単なる会計ソフトベンダーの枠組みにとどまらない。例えば、中小企業の業務を効率化するクラウドプラットフォーム「bizsky」や「かんたんクラウド」「Edge Tracker」など、会計の領域だけではないソリューションを矢継ぎ早にリリースしているのだ。それらの全ては会計事務所と顧問先を支援するためのものだという。本稿では、株式会社ミロク情報サービス執行役員営業本部営業推進部長の井上善宏氏(写真)に、これらのソリューションへの取り組みに関してお話を伺った。
アプリベンダーからの転換
―― 本日は株式会社ミロク情報サービス(以下、MJS)で営業本部営業推進部長を務める井上善宏執行役員にお話を伺います。
昨今、貴社では持続的なイノベーションに取り組んでいるように感じます。どのような流れでそれらの取り組みが始まったのでしょうか。
井上 昭和52年に創業した私たちは、計算センタービジネスを領域としていました。その後、昭和50年代後半には専用機へと大きな流れで変化しています。自社で専用機そのものは開発していませんでしたが、その後平成に入ると汎用機の時代へと転換します。会計マーケットのなかで私たちもアプリケーションベンダーとして事業を展開してきました。
しかし、昨今は世の中の市場そのものが変わってきています。そこで、私たちとしてはアプリケーションだけではなく、会計事務所の先生方や顧問先が求めるサービスコンテンツの提供に注力しています。サービスプロバイダーとして、会計事務所や顧問先を支える取り組みですね。これまでの財務会計や税務を軸に、社会問題にもなっている事業承継なども含めた多角的なソリューションを、従来の商品と融合させながらサービスとして提供する形に変わってきているのです。
例えば、私たちは会計事務所向けに「ACELINK NX-Pro」を提供しています。これは単なる会計ソフトではなく、会計事務所の業務全体を支援するソリューションです。
―― 現在は単なる会計ソフトベンダーではなく、会計事務所や顧問先が抱えている課題を解決する点に重点を置いているわけですね。