衞藤勉税務会計事務所 所長/株式会社大分綜合会計 代表取締役 税理士 衞藤 勉

株式会社大分綜合会計(大分県大分市)は、33歳で国税職員から税理士へ転身を図った衞藤氏が、12年前に地元大分で開業した会計事務所である。「日本一相談しやすい事務所」をモットーに、顧客との信頼関係醸成に全力を注ぎ、信頼から紹介へとつなぐプロセスを一つひとつ積み上げながら、顧問先、スタッフとも、毎年コンスタントに増客・増員を実現してきた。その信頼醸成の要となるのが情報だ。地元の中小企業に関する情報はもちろん、常に東京をはじめとする大都市圏にもアンテナを張り、登録しているメルマガの数は100件以上と、情報の収集・分析には余念がない。情報こそが顧客拡大戦略の最大の武器であるとする同社代表取締役の衞藤 勉氏に、地方会計事務所事業戦略の極意についてお話を伺った。

国税を退職し、働きながら資格を取得して開業

―― 本日は、国税を退職後、税理士の資格を取られ、地元大分県で会計事務所を開業された衞藤先生に、事務所の成長戦略などについてお話を伺います。まずは、開業までの経緯についてお話しいただけますか。

衞藤 私が国税を退職したのは平成11年、33歳のときでした。税理士事務所を開業した国税時代の先輩から、一緒にやらないかというお声がけを頂いたのがきっかけです。
もちろん躊躇はしましたが、まだ若く、自分の力を試してみたいという気持ちが強かったのでしょう。もともと、このままでいいのかという思いを抱いていましたから、結局、イチかバチかの勝負に出て、国税を飛び出しました。税理士になって独り立ちしようと決意したわけです。
それから先輩の事務所で働きながら、6年ほどかけて資格を取り、18年に独立開業しました。

―― 働きながら6年で資格を取るのはかなり大変ではありませんでしたか。

衞藤 覚悟はしていましたが、思った以上に大変でした。しかし、働かなければ食べていけません。平日は先輩の事務所に通勤し、週末の2日間で40時間くらい勉強するという日々を、6年間続けました。家族の支えがなければ、資格取得など到底かなわなかったのではないかと思います。

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