税理士法人タックスサポート・イトカズ那覇事務所所長の糸数弘和氏

6つの組織体からなる、沖縄でも屈指のアカウンティングファーム「ITACグループ」。その母体となるのが、税理士法人タックスサポート・イトカズ(沖縄県宜野湾市)だ。沖縄返還後まもなく開業した糸数税理士事務所は、施政権が米国から日本に移るなか、日本の税制を浸透させる役割を負いながら、当時から一貫して「経営サポート業」を掲げる。中小企業の経営体質強化に力を注ぎ、高度経済成長期の波に乗って拡大してきた。現在、税務会計はもちろん、経営診断、相続・資産税、事業承継、ライフプランと幅広く顧客ニーズに対応するとともに、セミナーなどを通じて情報発信を行い、地域の活性化に貢献している。今回の取材では、地域密着型会計事務所の生き残り戦略について、税理士法人タックスサポート・イトカズの那覇事務所所長・糸数弘和氏にお話を伺った。

沖縄における日本税制定着に貢献

―― 本日は、創業40年超の歴史を誇る沖縄の税理士事務所、税理士法人タックスサポート・イトカズの那覇事務所所長である糸数弘和氏に、開業以来中小企業の経営サポートに力を注いできた、その拡大戦略と理念経営について伺っていきたいと思います。まずは、貴社の沿革からお話しください。

糸数 当社の創業は昭和50年になります。私の父、糸数哲夫が那覇市で開業し、翌年には宜野湾市に移転しました。当時の沖縄は、日本に返還(昭和47年)された直後で、米軍の施政権下における米国流の税制から日本の制度への移行期にありました。それまでは日本の税制を理解した税理士が少なく、そこに国税が入るということで、国としては日本の税制を周知させていくための協力者が必要だったわけです。父はその一人でした。
折しも、日本が高度経済成長期に入った時期と重なり、お客様の数も順調に増えていきました。その後、顧客ニーズに合わせて、記帳代行やコンサルティング部門を分社化していき、10年前から、那覇市と宜野湾市の2拠点体制で事業を展開しています。

―― 現在の規模、組織体制について教えてください。

糸数 所員数は現在56人です。社労士事務所をグループに加えたことや、那覇事務所での資産税部門創設などを機に社員数が増えてきました。

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