株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

管理

管理者は、価値を社員に意識させるだけではなく、実際に価値を追求して、実現してもらわなければなりません。そのためには管理をすることが必要です。

仕事をする限り、価値はなんらかの形でつくられているものです。そして、自分がどのような価値をつくっているか、これを意識して仕事をすることが大事です。
ただし、本人が行うだけではなく、その仕事ができている状態か、きちんと確認することが重要です。そこで管理が必要になってきます。

最高の管理とは

実は、全ての仕事が価値につながっています。ですから、管理しなくとも誰もが価値を求め、そして実際に価値が実現している状態が最高の管理といえます。

最高の管理は、管理しないことです。管理をしなくても、価値を求める状態ができているということです。どうやったらそれができるかを、これからお話しします。
自然にその状態へと集約されていく仕事の仕方や業務プロセス、そして顧客や後工程からのフィードバックがもらえる状態をつくれれば、自然とそうなります。
理想は、管理しなくてもよい状態になることです。その状態を保って管理をなくすこと、それが最高の管理です。
教育の世界では、教師がいなくても価値を求める状態になること、それが最高の教育だといわれますが、管理も同じです。マネジメントがない状態、それが最高のマネジメントだということです。
そう考えると、ティール組織は中間管理職がいない組織であり、担当者が皆自分で責任を持ち、自分の出すべき結果を出す状態ができているのです。それは進化型の組織といえますが、管理についても同じことがいえます。

満足感を得るには

価値を生み出せる仕事を行えた場合、本人が意識していれば満足感や達成感を感じられるでしょう。そしてよいフィードバックが頂けるので、自ら満足感を得られます。

価値を生み出すということは、自分の仕事が誰かに役立っていて、価値を出せているのだと思えれば、当然に自分自身が達成感や満足感を得られるものです。
実際に後工程の方や自分の顧客が、きちんと価値を実感できていれば、当然によいフィードバックを頂けることになります。
そのような状態ならば、自分も満足感や達成感を感じ取ることができるものです。

部下の働く姿勢を読み取る

管理者は、担当者が目をキラキラ輝かせて働いていれば、確認せずとも価値を上げていることを確認できます。なぜなら価値はヒトの役に立つことですし、それができれば満足感が得られるからです。管理者には担当者のきびきびと働く姿勢や表情から満足度や充実感を想定できる感性を身に付けさせましょう。

担当者の顔色や、働くときのきびきびした姿勢から本人の心を想定し、よい状態にあるのかどうかを察しなければいけないということを、稲盛さんから学びました。
部下がどういう気持ちで働いているか、担当者が自らやりがいを持って働いているかどうかは、表情や態度を見たら分かるものです。ですから管理者には、それを感じ取れる感性を身に付けさせましょう。

こちらは 実務経営研究会会員 用記事です
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