株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏
企業がつくり出す新たな便益
価値とは企業がつくり出す新たな便益です。それは意識・無意識の困り事がある状態からどこまで回復させたかの距離を表します。
企業の役割は、社会の困り事、構造上の欠陥に対して、事業・商品を通して解決していくことです。そこでの困り事は、意識・無意識のものです。その状態を認識したうえで、それをどこまで回復させるかが価値につながります。そこでは、回復をさせた距離が価値にあたります。
実務が価値をつくる
価値をつくるのは実際の実務に関してです。マネジメントは直接は価値を生まず、価値を生む実務を支援することで価値の発生を確実にします。マネジメントでは、実務者が価値を確実に生めるようにするために、人を育成したり、判断や指導を行うことで、価値を具現化させていきます。
ですからマネジメントは必要ですが、より効率化が求められます(効率化は実務よりもマネジメントで必要です)。
ティール組織
マネジメントの効率化が極端に進んでいるのがティール組織です。なぜなら中間管理職やスタッフ機能が不在でも回る組織だからです。
さらにいうと、ティール組織では計画類も立てません。現場では好きなことを行いながら、顧客からの要求に対して、コールというかフロー状態で、インスピレーションに従いながら、現場の担当者は時間を忘れて仕事をしていきます。そこでは、最短距離で回答を得ながら、仕事での価値をつくっていくことができます。
ティール組織は、極端に無駄を排除することができていて、たくさんの価値が生まれる組織体制になっています。
商品
直接価値を生むのは商品です。商品は顧客が使うことで困り事を解決させて価値を生じさせます。したがって、直接価値を生ませる商品が大事です。しかし商品の正しい使い方を教えたり、顧客の実際の動きを理解して最大の価値を生み出せるサービスを充実させることで価値は高まります。
商品を作る際に、どのような顧客を対象にして、その顧客がどのような行動を取るかを分析したうえで、最大公約数的な行動の仕方のなかで、最大の価値が生まれる使い方やサービスの類いを、どれだけ商品に付加させるか、これが極めて重要です。