税理士法人チェスター代表社員の福留正明氏(左)と荒巻善宏氏(右)

通常の顧問先を持たない“相続税申告専門”の会計事務所として、平成20年にスタートした税理士法人チェスター(東京都中央区)が、このたび開業10年を迎えた。ネットを活用した集客や報酬の開示などの斬新な発想で顧客を獲得し、驚異的なペースで受注案件を伸ばしてきた同社は、100人超の職員と全国主要都市に6拠点を構える規模にまで拡大している。近年はその高い専門性と品質が顧客だけでなく会計業界にも浸透し、他事務所からの紹介案件が多数を占めるだけでなく、優秀な人材も集まるという好循環が生まれている。同社の代表社員である福留正明氏(次ページ写真左)と荒巻善宏氏(同右)に、直近の取り組みや今後の方向性について伺った。

開業10年で100人超の規模に成長

―― 本日は、税理士法人チェスターの代表社員である福留正明先生、荒巻善宏先生にお話を伺います。
弊誌では、開業間もないころから同社に注目し、数度にわたる取材を通じて、その急成長の軌跡を追い続けてきました。
今回の取材では、開業10年という節目を迎えた同社の近況と、注力している取り組み、今後のさらなる規模拡大に向けた戦略について伺いたいと思います。
まずは、開業から現在までの歩みを簡単に振り返っていただきます。
10年前、普通の会計事務所が年間1件未満しか相続を扱わないなか、ネットで相続専門というスタイルでの開業は大きな決断だったのではないでしょうか。当時、お二方でどのように話し合われて相続・資産税一本でいこうと決めたのですか。

荒巻 決断というよりは、開業に当たっていろいろ調べるなかで、「相続税がいいのでは?」という感覚でした。そこにはブルーオーシャンを探そうという、若さゆえの意気込みもあったと思います。

―― 福留先生も同じような感覚だったのでしょうか。

福留 はい。当初から相続専門でいくと決めていましたが、実は途中で方針がぶれたりしています。固まってきたのは開業から2~3年後だったと思います。

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