司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子

人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けています。

※ ○○○○○には「相続手続き」が入ります。

親族が海外に住んでいませんか?

仕事や結婚、移住などで海外に居住することは珍しくない時代です。特に会社経営者などの親族が、海外に在住している割合は高いのではないでしょうか。しかし、相続が発生したときに、相続人が海外に住んでいると、手続きが止まってしまう可能性があります。そして、会社経営にとっては大きな経営問題になるおそれがあるのです。

相続人が海外にいると

遺言がなければ、遺産を分配するには相続人全員で遺産分割協議をしなくてはなりません。そのときに印鑑証明書や戸籍謄本、住民票などが必要になりますが、これらは日本に住んでいる人しか取れません。海外に住む人は印鑑証明書の代わりに「サイン証明書」(図1)、住民票の代わりに「在留証明書」(図2)を用意しなくてはなりません。ところが、それらの取得には現地の大使館や領事館へ出向く必要があります。大都市では比較的近くにあるので行きやすいでしょうが、地方に住んでいると遠距離になる場合が多く、時間も費用もかかります。海外在住の相続人に協力してもらえなければ相続手続きは進みません。

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