株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

後継者育成は最初から考える

後継者育成は、社長にとって最重要課題のひとつです。自分が社長に就任した瞬間からこのことを念頭に置き、社長業をするという意識が必要です。
以前、アフラックの日本法人で初代社長をされた大竹美喜さんに、倫理法人会で講演をお願いしたことがあります。そのときに、大竹さんはこのように仰っていました。

「社長にとって、後継者育成はとても重要な事柄です。自分が社長に就任したときから、次を誰にお願いするかを想定して人材育成を考えなければいけません。そのことは、頭の片隅であっても、常に考えなければいけないことです」

会社は社長で決まります。ですから、自分の後継ぎを自分できちんと育てることができなければ、現在、日本で盛んに行われているM&Aの嵐に巻き込まれてしまいます。あるいは、会社をファンドに売却せざるを得ない、という事態になってしまうかもしれません。そうならないように、後継者育成を重要な課題として捉えましょう。
誰に継がせるのかは、会社の将来を決める一大事です。強烈なワンマン体制のもとでは、人材は育ちません。ワンマン体質の方は、特に意識して後継者育成を考えてください。
社長がワンマン体質だと、周りは皆イエスマンに育ってしまいます。そうなると、社員が皆、自分の頭で考えなくなってしまうものです。
自分で考えて責任を取れる社員が育ちませんし、その結果、会社を引っ張れるリーダーが不在になってしまいます。そのようなことが起きないように、責任権限を思い切って与えたうえで任せて、後継者を育成しなければなりません。

ファミリー企業の強さ

中小企業では親族による承継が一般的ですが、これは素晴らしいことであるといえます。
サラリーマンの家庭で育った人と、経営者の家庭で育った方では、人種が異なるのです。後者はお金を稼ぐことの厳しさを子供の頃から間近で見ているので、覚悟が違うのです。ファミリー企業が独特の強さを持っているのは、海外では常識になっています。

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