杉谷範子先生の人生100年時代を見据えた「新・相続」「第33回 顧問先に伝えてほしい! 成年後見のリアル!!「東京家庭裁判所後見センター よくある質問Q&A198」より」
司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子
人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けています。
成年後見の利用はわずか2%
認知症高齢者数は、現在600万人に達しており、精神障がい者は約370万人、知的障がい者は約110万人で、これら判断能力が不十分と見られる人の総数はおよそ1000万人、今後もその数はますます増えていくものと推定されます。
一方で、成年後見制度を利用している人は24万5000人に過ぎず、1000万人にのぼる後見ニーズのわずか2%を満たしているに過ぎません。
そこで、成年後見制度の利用の促進に関する法律が平成28年5月13日に施行、成年後見制度利用促進会議および成年後見制度利用促進専門家会議が設置され、成年後見制度の利用の促進を推進しています。令和4年3月25日には第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4年度~令和8年度)が閣議決定されました。
しかし、一般の国民においては、成年後見制度の運用面について知る機会がなかったため、後見申立をした後に「こんなはずではなかった」と後悔する声が続出しています。超高齢社会に向けて顧問先に正しい情報を伝えるためにも、成年後見制度の実態について知識を得ておくことは必須でしょう。
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