司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子
人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けています。
この連載で何度も成年後見制度について説明しましたが、昨年から今年にかけて新しい情報が入ってきたので、お伝えいたします。
成年後見制度について 国連から廃止の勧告を受ける!1
2022年9月に国連から日本の成年後見制度についての懸念や勧告がなされました。
成年後見制度は「意思決定を代行する制度」(本人の意思に代わって後見人が物事を決める制度)であり、後見人の権限が強すぎることが問題だと指摘されました。そのため全ての差別的な法規定及び政策を廃止し、民法を改正することを勧告されたのです。
このことは、同年11月にNHKのクローズアップ現代でも取り上げられました。その放送は、以下の夫妻が登場した内容でした。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4724/
50歳のときに過労で脳梗塞を発症し、認知症になった男性。会社相手に裁判を起こすため、後見制度を利用することになりました。
裁判所は、財産管理はA司法書士を、身上監護は妻を後見人として、2人の後見人を選任しましたが、妻が夫のお金を使おうとすると、A司法書士に医療と介護以外の出費を厳しく管理されたといいます。以下は番組からの引用です。
こちらは
実務経営研究会会員
用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。