株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

社風は社長の心次第

社風とは会社の風土であり、社員の心がつくり出す、会社独自の雰囲気や特徴のことです。企業文化と言い換えることもできるでしょう。稲盛和夫さんは、「自社の社風がどうであるかが、社長にとって最も大切なことだ」と述べておられます。
稲盛さんは、「社長の心が社員に反映され、社員の心の集合が社風という形をとる」ということを繰り返し話しておられました。社風は、社長の心の状態に直接影響されるのです。
なお、心について考える際には、顕在意識と潜在意識の両方を含めたものとして捉える必要があります。顕在意識は人間の意識の1%しか占めておらず、残りの99%を潜在意識が占めているといわれています。ですから、社風を形成するにあたっては、潜在意識を重視する必要があります。

社風は社長の通信簿

会社の文化は1社ごとに異なり、「自由闊達」「明るい」「暗い」「緊張感がある」「のんびりしている」などの言葉で表現されます。これは社長の人格の表れですから、社長自身が社風のあり方に責任を持たなければなりません。そして、売上や利益は社風の結果なのです。
企業はお客様の問題を解決して、その結果として売上や利益を上げるものです。その際、社員はお客様に良くなってほしいと思い、お客様の状態を観察しながら、どのように役立てるかを考え、行動することで初めて成果が得られます。
このとき、スタート地点では社員の心のあり方が重要ですが、社員の心のあり方を形づくる要素は社長の心です。社風は社長が一番責任を持つべきものであり、「社長の通信簿」のようなものだと考えなければなりません。

社員の行動は社長の潜在意識の表れ

社風は顕在意識というよりはむしろ、潜在意識がつくり出していると考えましょう。
個々の社員の行動や考え方は、社長の潜在意識に影響されています。ですから、社長は社員一人ひとりが自分の実態を教えてくれていることに感謝しながら、個々の事例に取り組む必要があります。
社員の考え方や行動を見ながら、社長の潜在意識が、社員にどのような影響を与えているかを考えてください。社員がしてほしいことは、社長自身がしてほしいことでもあるといえます。社長は、社員を喜ばせるにはどうしたらよいのかを考えることで、自らを癒やすヒントを得られます。

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