司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子

人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けています。
本年1月24日に、中小企業基盤整備機構、帝国データバンク、ファシオ主催の「専門用語を使わない『新・相続Ⓡ』講座─事業承継編」が開催され、一般社団法人日本相続知財センター本部専務理事の鹿内幸四朗さんと私が講師を務めさせていただきました。
鹿内さんは日本相続知財センター本部の人気講座「専門用語を使わない相続講座」の講師をなさっています。また、令和4年3月に日本記者クラブにて「18歳成人と知的障がい者の親なき後問題」について、一緒に記者会見をさせていただきました。

ひとり悩んでいる

中小企業庁が令和4年3月に改訂した「事業承継ガイドライン」では、「はじめに」に以下の一節があります。

はじめに
中小企業・小規模事業者は雇用の担い手、多様な技術・技能の担い手として我が国の経済・社会において重要な役割を果たしています。将来にわたり、その活力を維持していくためには、円滑な事業承継によって事業価値をしっかりと次世代に引き継ぎ、事業活動の活性化を実現することが不可欠といえます。
他方、事業承継の準備が十分でなかったために、円滑な事業承継ができずに不本意な結果になってしまう例もあります。また、事業承継は家族内の問題という考えから、適切な専門家の相談を受けられずに、ひとり悩んでいる中小企業経営者も少なくありません。

(令和4年3月改訂 中小企業庁「事業承継ガイドライン(第3版)」より引用)
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/shoukei_guideline.pdf

孤独に悩んでいる経営者に少しでもお力添えできれば、との想いを込めて、専門用語を使わないように、たとえ、使ったとしても「ツッコミ担当」の鹿内さんが用語の説明を求めてくる構成で講演をいたしました。そして、この連載でもお伝えしているように、今までの「相続対策」では足りない「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を駆使した総合的な対策が必要であることを説明しています。

「専門用語を使わない『新・相続Ⓡ』講座─事業承継編」で講演する杉谷先生
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「専門用語を使わない『新・相続Ⓡ』講座─事業承継編」で講演する杉谷先生
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