株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏
社長の仕事は意思決定
一般に、社長の仕事は意思決定だといわれています。社長は会社の最高責任者であり、その意思決定が最終決定になるからです。
松下幸之助さんは、「会社が右に行くか左に行くかは社長の意思決定次第ですので、会社は社長で決まるのです」と仰っています。また、船井幸雄さんは、「会社は社長で99%決まる」と言われていました(その比率は年々低下して、最後は90%になったそうですが)。
私は新入社員時代にその話を聞いて、「うそだろう。社長は何もしていないじゃないか」と思っていました。しかし経験を積み、物事が分かってくると、「社長の影響力によって会社は決まる」ということで腑に落ちました。
社長は社員を許し、自由に働ける場を与え、社員がやる気を出して働けるように素晴らしい業務をつくり、目標管理ができる仕組みを用意します。これにより、社員は自分に与えられた仕事で、自分の存在価値を嬉々として追求しながら、成果を出すことができるのです。
これも全て社長のイメージ次第ですので、社長の影響力は会社にとって絶対だといえます。
社長にとって最も重要なこと
社長の意思決定で最も重要なのは、「ドメインの選定」です。なぜなら、「どこでどのような事業を行うかで業績が決まる」からです。
ドメインの選定は漁場選びに似ています。漁をするなら、魚が多く集まっているところ、しかもお腹を空かせている魚が集まっているところで行わなければなりません。そのような場所で漁をすれば、魚がたくさん捕れるからです。
漁師で一番偉いのは船頭さんです。船頭さんは、海のなかで魚がどうように棲み分けをしていて、どの魚がいつお腹を空かすかが分かっています。
また、潮の流れ、気温などによって、今はどこにどの魚がいて、船をどこに向ければよいか、どういう網を仕掛ければ魚が取れるのかについて、海のなかが透けて見えるように分かっています。船頭さんの判断次第で、漁の成果が決まってきます。