株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏
社長が全責任を負える状況をつくる
社長は会社を代表し、自社の経営に関する全ての責任を負います。それを可能にするためには、社長が責任を負える状況をつくる必要があります。「どうあるべきか」という会社のゴールイメージや、自社の進むべき方向性を示して、社員のベクトルを合わせなければなりません。
会社経営にあたり、社長は自分がイメージする「このようにしたい」という思いを社員に伝えます。そして、社員は社長と違うイメージを持つことなく、以心伝心で同じイメージを持ち、そこに向かって皆で波長を合わせ、一生懸命努力する状態がつくられていなければなりません。
代表取締役の「代表」には、法律上の権利、義務の主体だという意味があります。会社という無機質な主体が持つ法的な権利、義務の全てにおいて、代表者は法的責任を負います。ただし、社長が法的責任を負おうとしても、各社員が自分のやりたいこと、社長のイメージとは違うことを行っていたら、責任を負うのは無理でしょう。
ですから、社長は自分がどのような経営を行いたいのか、どのような価値を見いだしたいのかを社員にきちんと伝わるようにしなければなりません。そして、社長のイメージに向かって各社員が役割を発揮してくれる状態をつくる必要があります。
実は、これはとても大変なことなのです。なぜなら、人間の脳は、自分の都合で考えるようにできているからです。いくら社長が「自分はこうしたい」と言い、社員も顕在意識では、社長の言わんとするところを嗅ぎ取り、その通りにしたいと思ったとしても、社員は無意識に自分の都合や、自分はこうしたいという思いに引っ張られてしまい、バイアスが掛かってしまうからです。
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