人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けて、この連載で紹介しています。来年、再来年にかけて相続にかかわる制度の大きな改正がありますが、今回は令和5年4月27日よりスタートする相続土地国庫帰属制度について紹介いたします。この制度を使えば、相続した土地を手放して国庫に帰属させることが可能になります。顧問先に聞かれたときに、説明できるよう動画も用意していますので、職員さんにお伝えください。

杉谷先生による相続土地国庫帰属制度の説明動画
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杉谷先生による相続土地国庫帰属制度の説明動画
https://vimeo.com/746765631/eb934ebb06

都市部への人口流出

令和4年1月1日時点における全国の地価動向を見ると、東京圏、大阪圏、名古屋圏の三大都市圏の住宅地・商業地のいずれもが、2年ぶりに上昇に転じたそうです(令和4年版国土交通省「土地白書」より)。
コロナ禍によりテレワークが広がり、地方移住を選択する人も増えているようですが、やはり大きな流れとして都市部への人の移動は今後も続くでしょう。
これらの社会情勢によって、相続で地方の土地を相続したものの戻る予定はなく、土地を手放したいと考えている人が増えています(図1)。

コロナ禍で地方移住の流れが進んでいるのかと思いきや、結局は、都会を離れた田舎が望ましいと思っている人は7%という現実です(図2)。

日本の人口は、平成20年の1億2808万人をピークに減少に転じています。少子高齢化と都市部への人口流入とともに、ますます住まない土地に対する負担を感じる人が増えることになるでしょう(図1)。

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