司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子

人生100年時代を迎えた今、従来の死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けて、この連載で紹介しています。

前回のまとめ

認知症や脳卒中などが原因で判断能力がなくなってしまうと、その人名義の財産は凍結され、預貯金は引き出しできず、不動産は賃貸や売却ができなくなってしまいます。
地方だけでなく都市部においても、空き家率、空き家数は毎年増え続けており、約14%、800万戸を超えています。特に施設や病院への入所、入院による長期不在の住宅の増加が著しい増加を見せています。
2024年には、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になりますが、この年齢を超えると要介護認定者は3人に1人という厚生労働省の報告があります。これらマイホーム世代の判断能力欠如に起因する空き家の増加には拍車がかかることが予測されます。
空き家は放置することで、火災などにより第三者に被害を及ぼすおそれがあり、また、税金や維持費のコストは年間数十万円以上かかる場合もあります。

判断能力が減退した場合に採る方法は?

認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります(法務省HPより)。
そこで、それらの方々の財産を守る目的で2000年に成年後見制度がスタートしました。

成年後見人と空き家

高齢者(親)の判断能力がなくなると、自宅(実家)を賃貸や売却することができなくなり、それらの契約をしてもらう成年後見人を立てる必要があります。子どもが親の代理人として親の実印などを使って手続きすることは不可能です。本人の意思確認が厳格に必要とされているからです。

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