株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士
長山 宏

はじめに

今回から6回にわたり、脳科学のご紹介をしながら、経営の常識を変え、人に対して腹が立たないようになっていただくことを目指します。
「自分の意志は弱いのではないか。なぜ、こうしようと思った行動ができないのだろう」という自己嫌悪は、誰もが抱いたことがあるでしょう。第1回は、そうなる理由について、脳科学的な切り口で解説していきます。
近年では、経営と脳科学が密接に関わるような研究が進んでいます。そこで、最新の研究成果をもとに、経営における「なぜうまくいかないか」という疑問への回答と、「やはりそうだったのか」という理由をお伝えし、皆様の常識を変えるお手伝いをしたいと思います。
今回の参考書は、私と一緒に盛和塾で稲盛経営を学んでいた脳科学者、岩崎一郎さんの「何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ」(クロスメディア・パブリッシング)です。
岩崎先生は、「脳科学は『生活におけるなぜうまくいかないのか?』に回答と、『やはりそうだったか』という理由を与えてくれます」と仰っています。
今回の連載は、「やはりそうか!」と納得していただける内容になっています。お楽しみください。

人の行動の90%は意志とは無関係

人の行動には、「自らの意志に基づいて行う場合」と、「無意識の習慣に従って行う場合」があります。これらの比率を調べたところ、なんと約90%は無意識の習慣に従った行動であることが分かりました。
つまり、私たちは毎朝、「今日は何をしよう。これをしよう」と行動計画を作り、自分の意志に従って行動していると思っていたのですが、実際はそうではなく、90%は習慣に従っているのです。ですから、習慣が分かれば行動が予測でき、習慣を変えないかぎり、行動の型を変えることはできません。
これは、「人は変わりたくない」ということと連動しています。
経営者が新しいことを社員に提案しても、社内の誰もが「変わりたくない」という批判分子になり、なかなか受け入れてもらえないという話はよく聞きます。そうなってしまう理由も、これで説明が可能です。
脳科学の実験によると、習慣を変えるためには、なんと「毎日1回行って、約200日続ける」必要があるそうです。そこまで続けられて初めて、習慣になって無意識にできるようになるのです。

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