杉谷範子先生の人生100年時代を見据えた「新・相続」「第11回 ロイヤルカスタマーのためのM&A準備信託「事業承継と相続放棄」」
司法書士法人ソレイユ 代表社員 司法書士
杉谷 範子
人生100年時代を迎えた今、従来のように死亡に備えるだけでは足りません。「任意後見」「遺言」「信託」「保険」を4本柱とした、生前対策を含めた相続を「新・相続」と名付けて、この連載で紹介しています。
ソレイユ製作所(株)の「新・相続」の巻 (後編)
(本稿に掲載された会社名、個人名は全て仮名であり、複数の事例を組み合わせてご紹介しています)
前編、中編のあらすじ
- ソレイユ製作所は昭和60年代に設立された首都圏近郊の製造業の会社です。事業自体は継続可能ですが、会社の借入金が5億円あり、社長は連帯保証人になっています。そのようななかで、突然、社長が末期癌の宣告を受け、「余命半年から1年」と言われてしまいます。
- 家族のなかで会社を承継する者は見つからず、社長の5億円の連帯保証債務を背負うには荷が重過ぎるため、推定相続人は相続放棄を考えていました。
- 早急に会社の継続のために対策を講じる必要が生じ、まずは株券発行会社から不発行会社へと定款を変更し、また、名義株主に対しては実際の株主は社長であることを明確に書類に残し、株主名簿の書き換えも行いました。
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