「人生は手帳で変わる」と聞いて、「そんなことはできない」と思われた方もいるかもしれません。しかし、あなたの人生を変えることができるのは、ほかの誰でもなく、あなただけです。つまり、「人生を変える」ことは、これからの人生をどう歩んでいくのかを考え、計画することから始まります。自分のやるべきことを考え、計画を記す。つまり、「手帳に何を書くか」によって人生が左右される、といっても過言ではないのです。人生を変える手帳について考えていきましょう。

計画しなくても実行されること?

 時間管理のマトリックス(図1)における「第Ⅱ領域」の活動が、重要で実行しなければならないものだと分かっていても、実際に実行するのはなかなか難しいものです。なぜなのでしょうか。
 それを考える前に、あなたの今日のタスク・リストを見てみましょう。そこには、「明日の会議レポート」「A社への見積もり」「B社への問い合わせ」「Cさんへの○○の依頼」など、緊急な事柄が列挙されているのではないでしょうか。そして、あなたはこのタスク・リストを眺めながら、ひとつひとつ実行していくはずです。
 では、もしこれらがタスク・リストになく、あなたの頭の中から抜けていたとしたらどうでしょう。実行されないのでしょうか。
 実はそんなことはありません。緊急事項というものは、あなたが特に意識しなくても、周りからアラートが飛んでくるものです。「まだか?」「できたか?」「今すぐ用意しろ!」といった声とともに、あなたに襲いかかってきます。
 極端な言い方かもしれませんが、たとえあなたが計画してもしなくても、周囲からのアラートによって、第Ⅰ領域の活動はやらされることになりますし、第Ⅲ領域の活動もやらざるを得なくなるでしょう。緊急性を伴うタスク(第Ⅰ領域や第Ⅲ領域の活動)は、そのような理由で、あなたの時間を確実に奪っていきます。
 また、緊急でも重要でもない第Ⅳ領域の活動は、誰からも頼まれていないのに、自らいつのまにかやってしまうものです。つまり、第Ⅰ領域と第Ⅲ領域、第Ⅳ領域の活動には、あなたが計画しなくとも実行されるという共通項があります。放っておいても実行されるのですから、あなたは第Ⅱ領域以外の活動は計画しなくてもいいということになります。つまり、気にしなくてもいいのです。
 それに対して、緊急性を伴わない第Ⅱ領域の活動は、誰もアラートを鳴らしてくれませんし、あなたに襲いかかってきてやらされることもありません。あなたが計画を立てなければ永遠に実行されないのが、この第Ⅱ領域です。第Ⅱ領域の活動は、自ら意識してスケジュールに入れて、コミットすることが必要です。第Ⅱ領域の活動を計画することの重要性はここにあります。

こちらは 実務経営研究会会員 用記事です
すべての記事が読める「実務経営研究会会員(有料)」へご登録いただくと続きをご覧いただけます。