税理士法人コスモス 代表社員 税理士 鈴木成美
三好茂雄税理士事務所の意識改革
今回は、職員の意識改革の事例として、福岡の三好茂雄税理士事務所(以下、「旧三好事務所」)の取り組みをご紹介します。
旧三好事務所は、2008年1月に税理士法人コスモスと経営統合をし、現在はコスモスの福岡支部になっています。私は統合直後から、旧三好事務所の職員の意識改革を支援してきました。
このときの取り組みについて、旧三好事務所の所長である三好茂雄先生に取材しましたのでご紹介します。なお、私が直接話を聞くとバイアスがかかりますので、株式会社実務経営サービスの中井 誠会長に話を訊いていただきました。
三好所長の声
事務所開業のために営業の修業に努める
―― 三好先生が三好茂雄税理士事務所を開業された経緯をお聞かせください。
三好 私は福岡の高校を卒業してから、東京の大学に進学しました。東京では叔父が不動産鑑定士と税理士の事務所を開いていて、時々夕飯をご馳走になるなどお世話になっていました。そんな叔父の勧めもあり、私は公認会計士を目指して勉強をするようになりました。
ところが実家の父が病に倒れ、急きょ福岡に帰ることになりました。当時、福岡には公認会計士の二次試験を受けられる機関がなかったのですが、税理士なら福岡でも資格を取ることができました。それで、会計士は諦めて、税理士を目指すことにしました。
福岡では会社に勤めながら税理士試験に挑み、27歳で全ての科目を取りました。合格後、会社の上司や同僚に、税理士として開業するつもりだと話したところ、「今は景気が悪いから開業しても客がつかないよ」「営業力が必要だから大変だよ」と厳しいことを言われました。
確かに開業するには営業が大切だと思った私は、修業のために別の会社に転職し、完全歩合制の営業職に就きました。そこで能力開発サービスの営業を3年間務めましたが、その仕事で経営者と接する機会を持ち、セールスの面白さを知りました。