たじま法律事務所 所長/株式会社ファースト 代表取締役 弁護士 田島寛之
目前に迫ったAI時代に、クライアントから選ばれる士業になるには何が必要か。そのような視点から、弁護士、税理士、社会保険労務士などの士業向けにコンサルティングを行っている、たじま法律事務所(東京都港区)所長の田島寛之氏。税理士向け法律顧問サービス「法プラス」を全国展開するほか、昨年からは自分の強みを正確に伝える術を学ぶ「士業USPワークショップ」をスタートした。士業のブランディング支援も行う。将来的には、士業同士の連携の仕組みを確立すべく、士業プラットフォームの構築を目指す。弁護士の枠を超えて幅広く活躍する田島氏の取り組みについて伺った。(撮影 市川法子)
弱者を助けたいという思いから弁護士を目指す
―― 本日は、平成26年に独立して弁護士事務所を開設され、現在は、士業コンサルタントとしてもご活躍の田島先生にお話を伺います。特に、田島先生が最近、注力されているという税理士向けの法律顧問サービスなど、コンサルティング面における取り組みを中心にお聞きしたいと思います。まずはじめに、弁護士になられた経緯から自己紹介いただけますか。
田島 私は奈良県生まれですが、官僚だった父の転勤で神奈川に引っ越して以来、茅ケ崎の住民になっています。中学時代に裁判傍聴ツアーに参加して、弁護士という職業に興味を持ち始め、高校時代には、元日本弁護士連合会会長である中坊公平先生の著書『私の事件簿』を読んだことがきっかけになり、弁護士になろうと決意しました。ただ、もともと、公務員として人のために働いていた父の背中を見て育ったため、自然と人のために働きたいという気持ちが芽生えていたことが下地にあったと思います。
とにかく、弱者を助けるような仕事がしたいとの思いから、弁護士を目指し、立教のロースクールに入りました。2年間通って卒業した平成20年に司法試験に合格し、勤務弁護士として法律事務所に入所して、そこで4年半勤めた後、独立しました。