左から金融庁の日下智晴氏、愛媛銀行の二宮雅則氏、多摩信用金庫の辻 伸敏氏、マネジメントパートナーズの酒井篤司氏
本シリーズでは、「今後の金融の変化と、税理士・会計事務所に求められるもの」をテーマに、事業再生・経営改善のコンサルティングファームである株式会社マネジメントパートナーズ代表取締役の酒井篤司氏が、日本の金融が目指す方向性や、税理士に期待される役割、在り方について、3回にわたって探っていく。最終回は、第1回、第2回に続き、金融庁において地域金融機関の金融仲介機能発揮を促す実務責任者である日下智晴氏と、新たに多摩信用金庫(東京都立川市)常勤理事で融資部部長の辻 伸敏氏、愛媛銀行(愛媛県松山市)審査第二部部長の二宮雅則氏をゲストに迎え、新型コロナ禍における地域金融機関の中小企業支援の取り組み、リレーションシップバンキングの現状、今後の金融機関と会計事務所との協業について伺った。(写真撮影 市川法子)
地域の中小企業支援に取り組む金融機関
―― 株式会社マネジメントパートナーズ代表取締役の酒井篤司社長をホスト役に、各界のゲストとの対談やディスカッションを通じて、日本の金融が変化するなかでの税理士・会計業界の在り方、果たすべき役割を探っていく本シリーズも、今回が最終回です。
第3回のゲストとして、第1回(2020年5月号)、第2回(同9月号)に続いて金融庁監督局銀行第二課の地域金融企画室長と地域金融生産性向上支援室長を兼務されている日下智晴氏、そして新型コロナ禍で苦しむ中小企業の支援に取り組む金融機関から、その最前線で活躍されている方々にお越しいただきました。多摩信用金庫(東京都立川市)の常勤理事で融資部部長の辻 伸敏氏と、愛媛銀行(愛媛県松山市)の審査第二部部長である二宮雅則氏です。
第2回ではお二人の税理士を迎えて、新型コロナ禍における会計事務所の中小企業支援の現状や税理士が果たす役割について論じていただきました。本日は、主に金融機関の視点から、地域の中小企業支援の具体的な取り組み、支援の現場で実感したことや判明した課題、会計事務所との協業に対する期待などについて、お話を伺っていきます。
まずは酒井社長から、辻理事と 二宮部長をゲストに迎えた経緯をお話しいただけますか。