矢野会計事務所 所長/アカウンティングサポート株式会社 代表/つながるサポート株式会社 代表 矢野裕紀
クラウド会計ソフトfreeeの導入・運用サポート、フリーランスのビジネスをフルサポートする〝やのナビ〟、人が一歩踏み出すことをサポートする場づくりと、3つの切り口で事業を手掛ける矢野裕紀氏。大手監査法人を退職後、会計事務所を開業。フリーランスとして主体的な生き方を模索するなかで、気付けば今の形に至ったという。どの事業も、自らの経験からつくりだしたサービスが商品である。「矢野といえばfreee」というイメージを軸に、リアルな場やSNSを通じて人とのつながりを広げ、ビジネスの幅を広げてきた。そこで今回、1人で3つの事業を展開する矢野会計事務所所長・矢野裕紀氏のビジネス戦略を追った。

独立後、スモールビジネスサポートを軸に次々と事業を立ち上げる

―― 矢野先生は、会計税務のみならず、クラウド会計ソフトfreeeの導入・運用サポート、フリーランス経営の全面サポート、さらには人と人をつなぐためのイベント開催など、税理士・公認会計士業務の枠を超え、幅広くサポートビジネスを展開しています。
本日は、そんな矢野先生の現在までの軌跡を追いながら、ビジネスサポートサービスに掛ける想いや、その活動内容について伺っていきたいと思います。まずは、矢野先生が会計業界を目指そうと思われたきっかけと、独立までの経緯からお聞かせいただけますか。

矢野 「自分に自信をつけたかった」というのが公認会計士の資格取得を目指したきっかけです。試験勉強を始めたのは大学1年のときでした。
推薦で大学に入学した私は、厳しい受験競争を勝ち抜いてきた周りの同級生に対して劣等感のようなものを抱いていました。「このまま社会に出ても太刀打ちできない。だから、自分も難しいことにチャレンジしてから社会に出たい」。そんなことを考えていたとき、同じ推薦生の友人から「TACの公認会計士講座の説明会に行こう」と誘われ、そこで初めて会計士のことを知り、「これだ! これに合格できれば自信を持って社会に出られる!」と考え、資格取得を目指し始めました。
大学4年の11月に合格することができ、12月から非常勤職員としてあずさ監査法人に入りました。翌年4月に正職員となり、以後、建設系やインフラ系企業の監査に携わりました。
6年目に働き過ぎで体を壊し、1カ月休職させてもらったのですが、そのとき、自分がこの先どのような仕事をしていきたいか、どのような生き方をしていきたいかを考えた結果、「自分で自分の人生を切り開いていく力をつけていきたい」と決意し、2015年に監査法人を退職、矢野会計事務所を開業しました。

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