左から山根総合会計事務所の担当者の佐々木 倫氏、エフピーステージの五島 聡代表、エッチ・デー・エム・センターの 佐藤由佳社長、東 和空顧問、山根陽介税理士

株式会社エッチ・デー・エム・センター 代表取締役 佐藤由佳
顧問 東 和空
山根総合会計事務所 代表 税理士 山根陽介

会計事務所と顧問先企業との関係は、十年、二十年と長く続くのが普通だった。しかし近年では、そのような会計事務所の常識にも変化が表れている。会計事務所が提供するサービスに満足できなければ、契約解除を申し出る経営者が増えているのだ。
そこで本稿では、中小企業経営者に財務・事業承継コンサルティングを行うエフピーステージ株式会社(東京都港区)と共同で、会計事務所を代えた経営者にインタビューを行い、顧問税理士の交代はなぜ起きるのかを探る。
第5回は株式会社エッチ・デー・エム・センター代表取締役の佐藤由佳氏、顧問の東 和空氏、顧問税理士で山根総合会計事務所代表の山根陽介氏にお話を伺った。エッチ・デー・エム・センターは広島市で48年にわたり運転代行サービス業を営む企業だが、数年前に銀行から融資を断られる苦境に陥った。先代からの顧問税理士は有効な助言ができず、廃業を勧めてきそうな姿勢も感じられた。同社の顧問税理士が交代したのはこのときである。

創業50年近い老舗企業が経営危機に

―― 本日は、広島県広島市の株式会社エッチ・デー・エム・センター代表取締役の佐藤由佳社長と、同社の顧問の東 和空和尚、同社の顧問税理士で山根総合会計事務所代表の山根陽介先生にお話を伺います。
はじめに佐藤社長から、貴社の概要を紹介していただけますか。

佐藤 当社は、運転代行サービス「イイパパ代行」を営む会社です。広島市とその近郊を中心に、夜間の運転代行サービスを提供しています。
昭和47年に私の両親が「広島運転代行センター」として立ち上げ、昭和49年に法人を設立しました。今年で創業48年目になります。現在は運転代行サービス業に加え、レンタカーサービス「イイパパレンタカー」も運営しています。

―― 今回の取材では、貴社が会計事務所を代えた経緯についてお伺いします。

佐藤 7年前に母が他界したのを機に、私が後を継ぎました。引き継いだときは決算書の読み方も分からなかったのですが、今思うとその内容がひどく悪かったのでしょう。数年前に銀行との融資交渉がうまくいかず、困り果てました。

―― 具体的には、どのように交渉されたのでしょうか。

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