岩岡克徳税理士事務所(神奈川県相模原市)は、平成30年に開業した若い会計事務所ながら、明確なビジョンに基づく事務所運営により順調に成長を続けている。所長の岩岡克徳氏(写真)は会計を「ツール」と捉え、申告書の作成だけでなく顧客目線に立って経営助言を行うことが会計事務所の役割と考えている。同事務所の特徴のひとつは書面添付制度への取り組みで、50%超の顧問先の法人税申告において書面添付を実践している。岩岡氏に、同事務所の経営理念や注力している取り組み、今後の展望についてお話を伺った。(写真撮影 市川法子)

○ 創業支援などの実績を積んで独立開業

―― 岩岡克徳税理士事務所は、神奈川県相模原市を拠点とする会計事務所です。平成30年開業の若い事務所ですが、開業当初から順調に成長を続けています。
今回の取材では、所長の岩岡克徳先生に同事務所の経営理念や強みを伺い、成長の理由を探りたいと思います。
まずは、岩岡先生のこれまでの足跡を紹介していただけますか。

岩岡 私の父は税理士で、両親からは「税理士になりなさい」と聞かされて育ちました。それもあって、大学は商学部に入ったのですが、この時点では明確な将来の目標を持っていませんでした。
卒業が近くなっても税理士を目指す覚悟が定まらず、企業への就職活動もしました。例えば、TKCの最終面接まで進んだりしたのですが、最終的には税理士になるための勉強をするべく、大学院に進みました。
とはいえ、大学の簿記の授業で学んだ借方・貸方程度の知識しかなかったため、当初はかなり苦労しました。それでも、真剣に資格の勉強をしていたり、既に合格していたりした周りの仲間から大きな刺激を受けて、本格的に勉強に取り組むようになりました。
大学院修了後も、2年間は勉強に専念し、簿記論と財務諸表論に合格しました。そこで、一度就職することにしました。
就職先は川崎市の税理士法人です。その法人の代表は父の知り合いで、グループ全体で100名規模の比較的大きな事務所でした。面接時に採用を即決していただき、翌日から働き始めることになりました。

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