日本マネジメント税理士法人の黒田税理士、エフピーステージの五島代表、中西薬局の中西社長、東京海上日動あんしん生命保険の福島
有限会社中西薬局 代表取締役社長 中西一成
会計事務所と顧問先企業との関係は、十年、二十年と長く続くのが普通だった。しかし近年では、そのような会計事務所の常識にも変化が表れている。会計事務所が提供するサービスに満足できなければ、契約解除を申し出る経営者が増えているのだ。
そこで本稿では、中小企業経営者に財務・事業承継コンサルティングを行うエフピーステージ株式会社(東京都港区)と共同で、会計事務所を代えた経営者にインタビューを行い、顧問税理士の交代はなぜ起きるのかを探る。
第4回は、有限会社中西薬局代表取締役社長の中西一成氏(写真右から2人目)にお話を伺った。同社は兵庫県明石市で50年、複数の薬局・薬店を営んでいる。会社の財務状況をよく知らないまま2代目を継いだ中西社長は、先代からの顧問税理士とはほとんど交流がなく、経営戦略における意見の不一致もあり悩んでいた。同社の顧問税理士が交代したのはこのときである。
地域に根差した薬局・薬店として50年
―― 本日は、有限会社中西薬局の中西一成社長にお話を伺います。はじめに、貴社の概要をお聞かせください。
中西 有限会社中西薬局は、私の父が創業しました。兵庫県明石市に本社を置き、50年の歴史があります。現在、調剤薬局3店舗と一般の薬店1店舗を経営しています。
薬店と調剤薬局は、似て非なるものです。テレビで宣伝している風邪薬や頭痛薬など、一般消費者が購入できる薬を置いているのが薬店で、ドラッグストアをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。これに対し、調剤薬局は医師の処方箋で薬を出します。
父の時代には店舗数がもう少しありましたが、私が戻ってから縮小していきました。