エフピーステージ株式会社の五島 聡代表と株式会社フロンティア・サンワの中川正彦社長
株式会社フロンティア・サンワ 代表取締役社長 中川正彦
会計事務所と顧問先企業との関係は、十年、二十年と長く続くのが普通だった。しかし近年では、そのような会計事務所の常識にも変化が表れている。会計事務所が提供するサービスに満足できなければ、契約解除を申し出る経営者が増えているのだ。
そこで本稿では、中小企業経営者に財務・事業承継コンサルティングを行うエフピーステージ株式会社(東京都港区)と共同で、会計事務所を代えた経営者にインタビューを行い、顧問税理士の交代はなぜ起きるのかを探る。
第3回は、株式会社フロンティア・サンワ(広島市中区)の代表取締役社長である中川正彦氏(写真右)にお話を伺った。同社は、創業以来の土木・建築資材の卸売・販売事業に加え、より安定した経営を目指して新規事業の展開を計画していた。しかし、顧問税理士からは銀行融資を受けるための適切な助言や指導が全くなく、融資を断られたばかりか信用調査会社の評価まで下がってしまった。同社の顧問税理士が交代したのはこのときである。
よりよい生活環境を実現するため3つの事業を展開
―― 本日は、株式会社フロンティア・サンワの中川正彦社長にお話を伺います。はじめに、貴社の概要をお聞かせください。
中川 当社の前身にあたる広島県ヒューム管共同事業会社は、下水道や農業利水の導水管として用いられるヒューム管(遠心力鉄筋コンクリート管)の販売会社です。ヒューム管の市況がひどく落ち込んでいたころ、麻生セメントの広島支店長が音頭を取り、広島県内のヒューム管メーカー7社が共同で設立しました。これが昭和60年4月のことで、今期で36期目になります。
その後、参画するメーカーが3社にまで減ったのですが、残った3社が輪となって、開拓精神を持ちながら繁栄しようという意味を込めて、平成元年に社名をフロンティア・サンワに変更しました。
平成16年、塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)の台頭によるヒューム管市場の悪化に伴い、全株式を私が取得してオーナーになり、私と事務員の2人で新たなスタートを切りました。
現在、当社の主要な事業は3つに分かれます。まず、創業以来の土木・建築資材の卸売・販売、コンサルティング業務です。地元の広島県だけでなく、全国各地のインフラ整備に貢献しています。
2つ目は、太陽光発電所の設計と建設・保守管理・販売事業です。当社は原子力発電や火力発電に代わるエネルギーとして太陽光発電に注目し、土地の確保から造成、設備の設計、設置工事、完成後の維持管理までを一貫して請け負っています。
現在は、北海道、岩手県、広島県、山口県、福岡県、大分県で太陽光発電施設を運営しています。